2009年11月5日木曜日

アンデパンダン展・今昔

現音・秋の音楽展2009〉「アンデパンダン展第1夜」に出品予定の田丸彩和子です。アンデパンダン展には、実に16年ぶり、2度目の参加です。  
 前回と今回で大きく異なる点は、演奏部が、現代音楽演奏コンクール”競楽”入選・入賞者などの優れた演奏家を紹介してくださることです。現代音楽の演奏に堪能な演奏家と知り合う機会の少ない私にとって、これは大変有り難いことです。
 もう一つ大きく異なる点は、この16年間にインターネットが普及したことです。プログラムやチラシに載せていただく原稿や写真は、前回はファックスや郵便で送っていましたが、今ではメールで送ることができます。演奏者との連絡も、前回は電話でしたが、今ではメールです。そう言えば、さらに昔、今から20年前に、現音の会報に文章を載せていただいた時は、まだ我が家にファックスがなかったので、家の近くのNTTまで原稿を持って行って、送ってもらいました。随分便利になったものですが、時間の余裕が出来たはずなのに、相変わらず余裕がないのは何故だろう、と思ってしまいます。
  
 昔と言えば、今回改訂初演されるフルート独奏曲を作曲したのは、22年も昔です。記譜法に改善の余地があり、いつか改訂しようと思いながら、ずっと先送りになっていました。自分の作品は、我が子同然に可愛いもので、できれば多くの方々に長く演奏していただきたい。そのためには、きちんとした形にしなければ。今回改訂に踏み切った理由です。
 私が書いた現代音楽の独奏曲は、今回改訂初演される曲の他に、ピアノ曲2曲と、この夏に書き上げた十七絃箏のための曲だけです。この十七絃の曲を作っている間、独奏曲を作曲する難しさを痛感しました。複数の楽器によるアンサンブルですと、音色や音域、奏法などが多様になりますが、独奏曲ですとそう言うわけにもいかず、より力量が必要になると思いました。アンデパンダン展第1夜では、拙作も含めて4曲の独奏曲が並んでいますので、私にとって大変勉強になると思いますし、とても楽しみです。 
 
 今も昔も変わらないのは、作曲家の意欲とそれを支えてくださる演奏家やスタッフの熱意です。当日、ぜひ会場まで足をお運びください。

正会員:田丸彩和子
2009年11月11日(水)
●アンデパンダン展 第1夜
田丸彩和子/Stream for flute solo (1987, 2009/改訂初演)
千葉純子(フルート)

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