2009年11月4日水曜日

様々な「二重」

はじめまして。今回P.ブーレーズの「二重の影の対話」を演奏させて頂くサクソフォンの佐藤淳一と申します。
 四月にこの曲のサクソフォン版を初演して以来の再演ですが、どんなに練習してもこの難曲は中々思い通りに演奏させてくれません。この写真はそんな練習風景の一部なのですが何かおかしいとおもいませんか!? そう、アルトサックスを吹きながら小脇にソプラノを抱えているのです!
 ブーレーズのこの曲のタイトルにある「二重の」とは様々な意味が込められており、エレクトロニクス部のサクソフォンと実演のサクソフォンの対比、楽章間や楽章内のモチーフの対比、またはベリオやシュトックハウゼンの作品のコラージュによる二重構造と分かり易いものから、一度聴いただけでは分からないものまであります。
 その中でサクソフォン版にしかないのがこの2本のサクソフォンの瞬時の持ち替えです。この写真はその練習をしている所です。まあ、サクソフォンがクラリネットに対して音域が足りないだけの苦肉の策なのですが(笑)こういった部分も含めて現代音楽、とりわけライブエレクトロニクス作品はCDでは分かりづらい、実演だからこそわかる部分もありますので是非ともご来場いただき目と耳で実感して頂けると嬉しいです。同時に演奏されるケージの作品も実演でしか分かり得ない面白さが満載なので私も今から楽しみです。
 このブログでも取り上げられていましたが来週はなんとブーレーズが京都に来ます!中々こんなチャンスはないと思いワークショップに応募してしまいました。紅葉に囲まれた古都にブーレーズに会いに行ってきます。

2009年11月6日(金)19時開演
●電楽IV〜ライヴエレクトロニクス過去形/未来形
ピエール・ブーレーズ/二重の影の対話(Sax ヴァージョン)(1985)
佐藤淳一(サクソフォーン) 森威功(コンピュータ)

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